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 ゲーム理論

0、ゲーム理論

ゲームの基本的なルール

プレイヤーは1つのゲームにつき150万円の参加費が必要である。
得点表により300万円、200万円、100万円、0円がもらえる。
プレイヤーは2人で互いに顔が見えず会話もできない。
プレイヤーは赤と白のボタンのどちらかを押すことができる。
ボタンを押すためにプレイヤーは十分な時間を与えられる。
互いの押したボタンの状態から賞金が決定する。

得点表の見方は下のようです。
自分と相手の赤と白のボタンの状況から結果は4通りとなります。
表の数字は 3 なら賞金300万円となります。

 白 | 赤  自分
    |
 赤 | 赤  相手
----+----
 白 | 赤  自分
    |
 白 | 白  相手

参加費の150万円は真剣に選択をしうる高額な金額としています。
例えば国家間のゲームであれば150億円としたほうがいいかもしれません。
賞金はよりもらえるほうがいいので300万円欲しいし、
0円になることは絶対に避けたい選択となります。

ゲームは以下の4通りあります。

囚人ゲーム
チキンゲーム
シカ狩りゲーム
行き詰まりゲーム

ただし「行き詰まりゲーム」はゲームにならないので、
実際のゲームは3つということになります。

1、囚人ゲーム

 由来

2人の囚人が同じ事件の容疑で逮捕された。
2人とも自白すれば2人とも懲役2年、2人とも黙秘すれば証拠不十分で2人とも懲役1年。
ただし、片方のみが自白すれば自白した方が釈放され、黙秘した方は懲役3年になってしまう。
条件として、2人は隔離されており意思の疎通はいっさいできない。
この場合には自白したほうが有利か?黙秘したほうが有利か?

赤ボタン=自白しない
白ボタン=自白する

 3 | 2
   |
 0 | 2
---+---
 1 | 0
   |
 1 | 3

 ルール

2人とも赤いボタンを押せば2人とも200万円もらえる。
ただ、白いボタンを押せば相手が赤いボタンのとき300万円もらえる。
赤いボタンを押したときに相手が白いボタンを押せば0円になる。
2人とも白いボタンを押せば互いに100万円しかもらえない。

 ジレンマ

互いに協調して赤いボタンを押せばどちらも儲かるのに、
裏切って白ボタンを押せば大きく儲かるために白ボタンを押す可能性もある。
もし互いに白ボタンを押せば互いに損をする状態にも陥る。

 戦略

互いに赤ボタンと白ボタンが異なることがいちばんの格差を生む。
赤ボタンを共に押すことがいちばん平和的で望ましい。
できれば共に白ボタンは押したくはない。
白ボタンを押せば相手が赤ボタンの時に大きく儲かる。
共に白ボタンを押しても大きく損はしないのでたまに白ボタンを押す方法も有効。
どれぐらいの確率で白ボタンを選ぶかが重要になる。
4つのゲームの中でいちばん条件に均衡がとれており、
どちらを選ぶかという戦略を考えるのがいちばん困難な問題である。

2、チキンゲーム

 由来

中央に向かって左から1台と右から1台の車を走らせる。
衝突を恐れて先にブレーキを踏んだものをチキン(臆病者)とする。
2人ともブレーキを踏めば2人とも命は助かる。
ブレーキを踏めばチキンであり、踏まなければ勝者になれる。
2人ともブレーキを踏まなければ命の保障は無く最悪の結果となる。

赤ボタン=ブレーキを踏む
白ボタン=ブレーキを踏まない

 3 | 2
   |
 1 | 2
---+---
 0 | 1
   |
 0 | 3

 ルール

2人とも赤いボタンを押せば2人とも200万円もらえる。
ただ、白いボタンを押せば相手が赤いボタンのとき300万円もらえる。
赤いボタンを押したときに相手が白いボタンを押せば100万円もらえる。
2人とも白いボタンを押せば互いに0円となる。

 ジレンマ

互いに協調して赤いボタンを押せばどちらも儲かる。
またこちらが赤ボタンを押して相手が白ボタンでも100万円もらえ、
赤ボタンを押しても大きく損をするリスクは少ない。
反して白ボタンを互いに押す行為は互いに0円になるので絶対に避けたい。
これは勇気をもって白を押せばかなりの確率で勝てることを意味する。

 戦略

このゲームは白ボタンを押す行為について大きく悩むことになる。
白ボタンは積極的に勝つか最悪の状態のどちらかに賭ける選択となる。
消極的な相手は赤を押す確率が高く、自分が白を押して大きく勝てる。
ただ互いに白ボタンを押して共に大損することも十分にありうる。
逆に赤ボタンを押すことは最大で200万円しかもらえない消極的な方法である。
また、赤ボタンをおせば相手が賭けにでたとき100万円しかもらえない。
赤ボタンを押せば最悪の状態は確実に回避できるが・・・。
プレイヤーが積極的か消極的かが大きく勝敗に関わる。
4つのゲームの中でいちばん賭けの要素が強い。

3、シカ狩りゲーム

 由来

2人の男がシカ狩りに出かけた。
2人で協力して狩りを行えばシカを得ることができる。
ただし、シカを諦めてウサギを狩ればウサギは1人でも狩ることができる。
1人でシカを狩ろうとしても、シカは大物なので狩ることはできない。
2人ともウサギを狩ればウサギの取り合いとなり、1人で狩るより獲物は少ない。

赤ボタン=シカを狩る
白ボタン=ウサギを狩る

 2 | 3
   |
 0 | 3
---+---
 1 | 0
   |
 1 | 2

 ルール

2人とも赤いボタンを押せば2人とも300万円もらえる。
ただ、白いボタンを押せば相手が赤いボタンのとき200万円もらえる。
赤いボタンを押したときに相手が白いボタンを押せば0円となる。
2人とも白いボタンを押せば互いに100万円もらえる。

 ジレンマ

互いに赤ボタンを押せば最大の利益が得られる。
また相手を裏切って白ボタンを押しても大きな利益がでるわけでもない。
よって赤ボタンを押すのが当然有益で選ばれるべき方法である。
ただ、白ボタンを押すことは高確率に少しだけ勝つ方法であるし、
共に白ボタンでも白ボタンを押すことは大きく損をしない安全な方法と言える。

 戦略

最大の利益を得るために赤ボタンを押すべきである。
互いに赤ボタンを押す確率はかなり高いと言って良い。
逆に白ボタンを押して安全に少しだけ儲けるという方法もある。
白ボタンは最良の方法を蹴って相手に大損をさせるが自分が儲かる確率は高い方法。
相手がまさか白ボタンを押すとは思いたくないものであるが。
白ボタンを押す行為はプレイヤーの性格に左右されうる。
ともあれ互いに赤ボタンを押したいものである。

4、行き詰まりゲーム

 由来

核爆弾を保有する敵対する2国がある。
1国が核爆弾を発射すれば、もう1国は対抗して核爆弾を発射し、両国が壊滅的な被害を受ける。
1国が核爆弾を発射して、もう1国が核爆弾で反撃しないことはありえないであろう。
よって、2国とも敵国に対して我慢を続けながらも、核爆弾を使用することは無い。

赤ボタン=核爆弾を発射する
白ボタン=核爆弾を発射しない

 3 | 1
   |
 0 | 1
---+---
 2 | 0
   |
 2 | 3

 ルール

2人とも赤いボタンを押せば2人とも100万円もらえる。
ただ、白いボタンを押せば相手が赤いボタンのとき300万円もらえる。
赤いボタンを押したときに相手が白いボタンを押せば0円となる。
2人とも白いボタンを押せば互いに200万円もらえる。

 ジレンマ

普通に考えればジレンマは無い。
赤ボタンを押しても損しかしないし、
白ボタンを押しておけば必ず得をする。
考え方を変えれば赤ボタンを押せないジレンマと言えるかもしれない。
互いに損をすることは絶対に無いが、最大の利益はいつまでも得られない。

 戦略

互いに白ボタンを押すはずである。

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