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 Pentax K-x の使い方(撮り方)

0、はじめに

K-xはデジタル一眼レフの最低限の機能を持ち合わせたうえ低価格なモデルです。
初心者向けに楽に撮れる便利な撮影モードも充実しています。
しかし、ここは機能を理解したうえでカメラまかせで無い写真を撮りたいものです。
ここはあえて「マニュアル」モードの場合で説明を書いていきます。

1、クイックレビュー

サイズ            :12M
画像形式          :RAW
ISO感度        :200
シャッタースピード:1/10
絞り              :場面に応じて調整
ホワイトバランス  :オート

以下には以上の設定で撮ると良いと書いてあります。

2、スペック

画素数は約1240万画素で最大4288×2848ピクセルでの撮影が可能。
300dpiで印刷するとするとだいたい36cm×24cmの印刷が可能です。
ISO感度はISO200〜6400まで。
画像形式はRAW(12bit:PEF(PENTAX独自形式)、DNG(ADOBEの形式))とJPEG。
シャッタースピードは1/6000〜30秒。
SDHCに対応、SDXCには非対応(よって32GBまでのSDカードしか使えない)。

3、撮影画像の設定

画像の設定で必要なのは主に2点。

「画像のサイズ」と「画像の形式」

選択の基準も2点。

「1枚のカードで何枚撮りたいか?」と「綺麗にこだわるか?手軽に撮りたいか?」

例えば、最大サイズ、最高の画像形式でも4GBのSDカードで190枚ほど撮れる。
最小サイズ、最低の画像形式だと4GBのSDカードで5000枚ほど撮れる。

サイズと画像形式の双方とも最高してもけっこうな枚数が撮れるのがわかる。
こう考えると双方とも最高にしておけばいいように思える。
ただし、PCやDVDに保存する場合に問題がある場合がある。
容量が大きいことで記録媒体の容量を圧迫するかもしれない。
そして、1枚のサイズが大きいと1枚、1枚の処理に時間がかかる。
目的によっては最低の設定でも面倒が無くて扱いが良い場合もあるといえる。

4、画像サイズの決定

画像は12M〜2Mまである。
選択の基準は印刷するときのサイズである。
通常印刷する場合は300dpiから400dpiくらいあれば満足する。
(dpi とは1インチ(2.54cm)あたりのドット数のこと。)
よって、12Mを選択しておけば300dpiで36cm×24cmの印刷に耐える。
だいたい、A4サイズくらいまでならこれでいける。
最低の2Mであっても300dpiで14cm×10cmくらいの印刷に耐える。
標準の写真サイズには足りるが、葉書サイズには少し足りない。

5、画像の形式

画像形式は大きく分けてRAWとJPEGがある。
RAWは非圧縮か可逆圧縮でありサイズが大きい。
精度は12bitなので各色赤、緑、青それぞれに約4000段階の表現が可能である
PEFはPENTAXの形式であり、DNGはADOBEの形式である。
RAWの問題点はサイズが大きいという点に加えてもうひとつある。
要は、RAWに対応したソフトウェアで無いと画像が開けない。
せっかく写真を撮ったのにPCで見れないことがあるかもしれない。
ただし、RAWは撮った後でもカメラ内でJPEGに変換できるので大きな心配は要らない。
JPEGは不可逆圧縮である。
不可逆とは何らかの縮小処理がかけてあり元に戻せないことを言う。
JPEGはよくある画像形式なのでほとんどのソフトウェアで使用可能である。

6、撮影の設定

撮影の設定は大きく3点。

「ISO感度」と「シャッタースピード」と「絞り」。

設定の基準は、

「ノイズがのっても良いか?」、「明るさは?」、「ボケ具合は?」

ノイズはISO感度と関連がある。
明るさはシャッタースピードと絞りに関連する。
ボケ具合は絞りに関連する。

7、ISO感度とは

ISO感度は大きくするほどシャッタースピードを早くできる。
シャッタースピードは速ければ速いほど速く動くものを止まっているかのように写すことができる。
ただし、シャッターが開く時間が少ないので光が入る時間も少なく暗くなってしまうのが弱点である。
ここでISO感度を大きくするとシャッタースピードを速くしても明るく撮れる。
ただし弱点もあり、ISO感度を上げると独特のノイズが入る。
よって、シャッタースピードにこだわらない場合にはISO感度は最低の200にしておけば良い。
速いものを撮りたい場合や、暗い場所で手ブレせず明るく撮りたい場合はISO感度を上げる。
ISO感度は上げるほどノイズが目立つようになるが、撮りたいものが撮れるようになる。

8、シャッタースピードとは

シャッタースピードとはそのままシャッターが開く速度のこと。
速いほど光が入らず、遅いと光がたくさん入る。
K-xでの表記は「10」だと1/10秒を意味し「10"」だと10秒を意味する。
1/10秒だとカメラを1/10秒だけ固定すればいいが10秒の場合は10秒の固定時間を要する。
例えば、暗闇の写真を撮る場合は1/10秒では光がほとんど入らず真っ暗な写真になる。
10秒にしておけば10秒の間の光が入るので暗闇でも明るく撮れる。
ただし、10秒間シャッターが開いているということはその間はカメラも被写体も動いてはならない。
手で持って撮ると必ずブレるので三脚などに立てて撮る必要がある。
逆に、明るいものを撮る場合にはシャッタースピードを速くする手がある。

9、絞りとは

絞りは光が入る穴の広さのこと。
絞りは数値が大きくなるほど穴が狭くなり、数値が小さいほど広くなる。
数値に対して逆になるので注意する。
絞りの効果は主に2つある。
絞りが広いほど明るくなり、2つめにピント位置に対して前後のボケ具合が大きい。
逆に、絞りが狭いと暗くなり、2つめにピントに対し前後がくっきりと写る。
撮りたいものを定めて、前後をボカシたければ絞りは広げる。
風景などを全体をくっきり写したい場合などは絞りは狭める。
絞りを動かすことで2つの効果が動くので調節が難しい。

10、ISO感度とシャッタースピードと絞りのあわせ方

ISO感度は前述の通り、特別なものを取らない限り200で良い。
シャッタースピードは手持ちで撮る場合1/10秒までがストレスのかからない最大数値。
1/5秒以上にするとシャッターを押してから意識してブレさせない努力が要る。
よって、楽に撮りたい場合は1/10秒以下にしておくと良い。
絞りに関しては明るさとボケさせる効果をみて調整する。
K-xはシャッタースピードと絞りを触ると明るさのメーターが動くので-3〜+3を好みであわせる。
- だと暗く写るし、+ だと明るく写る。
この方法はISO感度とシャッタースピードを固定し絞りで調整する方法になる。
逆に、この絞りで撮りたい、という場合はシャッタースピードを調整する必要がある。
このときシャッタースピードを調整することで暗くなったり手ブレする場合があれば、
ノイズを覚悟でISO感度を上げることも考慮する。

絞り→シャッタースピード→ISO感度

の順で優先度が決まると思う

11、ホワイトバランスの設定

ホワイトバランスの調整とは色温度に由来する色の傾きを補正すること。
要は白いものを撮ったのに赤っぽかったり青っぽかったりすることがあるのを修正します。
実際に撮影してみて白いものが白く見えない場合に考慮する必要がある。
通常はオートにしておけば良い。
ホワイトバランスは後にPCで修正可能であることがほとんど。
マニュアルで設定する場合はまず白いものを撮っておいて、
マニュアル設定でそれが白く見えるようにバランスをとれば良い。

12、撮影結果の確認

K-xは撮影後の画像をモニターでチェックできる。
表示時間が設定できるので3秒とか5秒くらいにしておく。
また、ヒストグラムや黒潰れ、白飛びの確認もできる。
ヒストグラムは右にいくほど白成分、左にいくほど黒成分である。
明るさのバランスをここでチェックできる。
また、黒潰れとはいちばん暗い黒で塗り潰されて濃淡を表現できていない部分のことである。
逆に、白飛びとはいちばん白い白で塗り潰されて濃淡を表現できていない部分のことである。
黒潰れの部分は黄色で、白飛びの部分は赤で表示されるので、
あまりにも潰れや飛びがひどい場合には、明るさの調整を考慮する必要がある。

13、フォーカス

フォーカスのあわせ方にはAFとMFがある。
AFであれば、ピントをあわせたいものを中心にしてシャッターを半押し、構図に移動し撮影する。
MFであればレンズを直接調整してシャッターを押す。

14、レンズ

レンズは焦点距離によって写せる範囲が増える。
人間の標準の焦点距離は35mmである。
焦点距離が300mmであると写せる範囲が狭くなり、
焦点距離が10mmであると写せる範囲が広くなる。

焦点距離が300のように長いものを望遠レンズ。
焦点距離が10のように短いものを広角レンズという。
その中間が標準レンズである。

望遠レンズは遠くの鳥などを近くにあるように写す場合などに使う。
注意点はブレの影響をうけやすいこと。
また、望遠になるほどピントの前後がボケやすくなる。

広角レンズは風景など広く全体を写したい場合などに使う。
注意点は近くのものを写そうとすると魚眼レンズのように歪むこと。

通常はズーム機能によって焦点距離は変えられる。
単焦点レンズというのは焦点距離が固定のレンズのこと。

その他、レンズを選ぶ場合の基準としては撮影可能最短距離がある。
文字の通りどのくらい離れた距離から撮影ができるかを意味する。

前述の絞りについてもレンズによって異なる。

15、ケース・スタディ

ケース1:標準の撮影

通常の撮影であれば標準レンズで普通に撮れば良い。

ケース2:動く物体の撮影

動くものを止まっているかのように瞬間をとらえるには
シャッタースピードを速くすれば良い。
この場合はどうしても暗くなってしまうので
絞りやISO感度で明るさを調節する必要がでてくる。
あえて動くものの残像を残したい場合はシャッタースピードを遅くすれば良い。

ケース3:暗い場所での撮影

暗い場所での撮影はいかに明るく写すかがカギになる。
被写体が全く動かないならシャッタースピードを遅くすれば良い。
被写体が動く場合は絞りを広げ、さらにISO感度を上げざるを得ない。

ケース4:被写体を決め強調して撮る

絞りを広げ撮りたいものにピントをあわせる。
こうすると撮りたいもの以外がボケるので撮りたいものが強調される。
単焦点レンズはこの用途に向いている。

ケース5:遠くの風景の一部を切り取る

望遠レンズを使用する。

ケース6:できるだけ風景を広く撮る

広角レンズを使用する。

ケース7:近距離の物体をくっきり撮る

マクロレンズを使用する。

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